いろいろと説明


 話を進める上でいろいろ説明しなきゃならんことがありますね。

 まず墜落した米軍ヘリCH−53Dについて。

CH−53D

・ドラゴン25とも呼ばれる大型輸送ヘリ
・本体重量約10.6トン、全長約27メートル。一度に1600キロの距離を飛行可能
・六枚のメイン・ローターと機体尾部がL字型に曲がっているのが特徴。
・1964年から使用されており、米軍軍用機の中でも古い部類に入る。改良型であるCHー53E型との転換が進められているが、いまだに使用されている。
・日本の海上自衛隊も同型である掃海用ヘリMH53を使用している。
・2002年から2005年にかけて3件の墜落事故を起し、米兵40名が死亡している。沖縄で墜落する2日前にもイラクで事故を起し、米兵2名が死亡。

CH−53Dの写真


・沖縄で墜落したヘリ(以下、事故機)は普天間基地にローテンションで駐屯していた米海兵隊のヘリ中隊に所属。事故の翌日、イラクに派遣される予定だった。
・事故機は1970年より使用され、墜落するまでの総飛行時間は7295時間に達していた。

ジェット機戦闘機の耐久飛行時間が八千時間とされており、飛行時間が短いヘリで七千時間を越えるのは驚きだ。整備点検に相当の労力をつぎ込まなければならないことが、推測できる。(沖縄タイムス 2004年10月9日朝刊掲載の識者コメントより)

普天間基地宜野湾市

・1945年、日本軍が建設した滑走路を米軍が接取したのが始まり。
沖縄県宜野湾市のほぼ中央にある*1。総面積は約480万5千平方メートルで、宜野湾市の総面積の約25%にあたる*2
・ヘリ56機、空中給油機15機が常駐している他、ローテンションでさまざまな軍用機や部隊がやってくる。「復帰」後県内で起きた米軍機墜落事故42件のうち、15件が普天間基地所属の軍用機が起している。
・基地の周辺*3は住宅密集地。周辺には総合病院4つ、保育園・幼稚園10以上、小学校6つ、中学校4つ、高校3つ、大学二つがある。
・軍用機の低空飛行と騒音被害でも有名。「基地周辺の家では屋根に上ればホウキで軍用機の腹がつつける」という冗談もそれほどおおげさではない気がする。また平均的なうるささ指数も環境基準70を超える80.9に達する。


宜野湾市作成の映像より。


事故現場(沖縄国際大学)とその周辺

・私立・沖縄国際大学普天間基地に隣接しており、大学内の最も近い地点は、小道と小さな畑を挟んで、基地の金網から約50メートルしか離れていない。
・墜落現場は、基地から約400メートル離れた本館(1号館)。この建物には教室はなく、事務室や会議室、学長室が入っている。4階建て。
・本館は市道に面している。その市道から住宅地を挟んで、国道がある。

*1:このため上空から見ると宜野湾市は真ん中が空洞のように見え、ドーナッツの街などとも言われる

*2:他に市内にはキャンプ瑞慶覧と米陸軍貯油施設もあり、合せると33%が米軍施設である。しかしこれでも県内の他の米軍施設所在市町村に比べればましなほうである

*3:宜野湾市全体が「基地の周辺」と言えるが