12月7日〜9日

12月7日 旗は振らない

 ある催しものの開会式に他の外国人たちと参加したのだが、なんだか「世界各国の人々が参加しています」ということを演出するために参加させられたようなものだった気が・・・・・・。
 始まる前に「『我愛中国』って言ってね」と言われたのだけど……や、私はなんだかんだ言っても百万歩譲っても(←誤用)確かに中国のこと愛しているし、って言うかぶっちゃけそのへんの中国人より愛している自信もあるが…でもそれを口に出して言う(ブログには書いてしまったが)のもまして言わせるのも嫌だよー。愛は静かに心に秘めてこそおくゆかしいというものです。
 あと、「小旗を振ってください」って言われて各国の国旗の小旗を国籍に関係なくランダムに配っていたけど・・・これもなんとかして断り続けてしまった。どこの国の旗であれ、特にみんなで小旗を振るのはどうもだめです。自分の部屋に飾っとくくらいまでならOKだけどさ。あと、いっそのこと人が2、3人くるめそうな巨大な旗を風に煽られながらブンブン振るのとか。やるならいっそそのくらい威勢が良くないと!
(ただ珍しくともサウジアラビアの国旗があって、それはちょっと部屋に飾るように持って返りたかったのだが、どこぞの非サウジアラビア人に取られてしまった)


12月8日 映画「花木蘭」

 本日は近くの映画館が半額デーなので映画「花木蘭」を見に行く。
 花木蘭とは、「中国四大女将軍」の一人で隋末期の人*1。時の皇帝が各家ごとに男子を一人兵士として出征させるよう命じたのだが、老いた病弱の父しかいなかった花家では少女・花木蘭が男装して従軍し、女だとばれないまま数々の手柄を立てて将軍にまでなり、最後は故郷に戻って秘かに恋していたかつての戦友に正体を明かし結婚する、という話。
 花木蘭が実在した人物であるかは疑われているが、そのエンタメ的要素(男装の少女という倒錯性,伝奇的な活躍と成功,アクション,気を揉ませる恋愛物語,ハッピーエンドなどなど)をふんだんに盛り込んだ物語は中国で芝居や講談のネタとして非常に好まれている。*2 
 なのでこの「花木蘭」という題材は、どれだけエンターテイメント作品として仕上げるかが、成功の鍵だと思うのだが……そういう意味で今回の映画はいまいちかなぁ〜と。まあ、監督としては花木蘭の新解釈,重みのある作品を目指したのかもしれないが……。この題材は変にしかも中途半端に「戦争の悲惨」を訴えるよりはエンタメに徹したほうが良かったと思うよ。しかも何故かやたらと「愛国心」を称える描写が目について、それはやめてくれと思った。「愛国心」賛美的な表現は最近では以前よりも目立たない作品が主流になってきたような気がしていたのだけどな。やっぱり「花木蘭」もので一番出来が良いのは田中芳樹の『風よ万里を駆けよ』だということを確認しただけだった。


12月9日 大学で遭難

 臨時休業になったので、広州に遊びに行く。もしかして図書館を覗けるかもしれないと思い(←まあ、たぶん部外者はだめだろうが)、有名な中山大学*3に行ってみることにした。ほんと、ちょっと行ってみようかと思っただけだったんだけど・・・・・・。
 この中山大学、珠江という中国第三の大河の中の島にある。しかもその島は「大学城」と呼ばれていて中山大学の他に広州大学やら広州薬科大学など(確か)5つぐらいの大学があって、そのどれもが広大な敷地を有している。河の中の島に大きな大学が5つもあるだけで日本人的には驚きだが、案の定、私は島の中で迷子になってしまった。
 ・・・行けども行けども中山大学はおろかどこにもたどりつかないよ。ただでさえ方向音痴なのに、いろいろ道が交差していて、30分近くかけて歩いた道が間違い(←特に目印になるはずの各大学が離れているので、なかなか間違いに気付けない)で戻んなきゃならない時は絶望的な気持ちになる。
 そんなこんなで何時間も島の中をうろうろしたあげく、中山大学の正門に着いた時には日も暮れかけていた。写真撮って帰った。


なんとかたどりついた正門

*1:ただし映画では南北朝北魏の人という設定だった

*2:日本でも田中芳樹が『風よ万里を駆けよ』という小説を作り、ディズニーでも『ムーラン』という題名でアニメ映画が作られている。

*3:なんで有名なのか忘れたが、ともかく有名。特に正門は写真撮影スポット