沖縄戦と『島唄』
まだ福建旅行が途中ですが*1、今日は米軍が沖縄本島に上陸した日ですので、その話題でも。
THE BOOMというバンドの代表曲に『島唄』という唄がある。かなり有名な曲だから、誰しも一度は聴いたことがあるだろう。
これはこの曲の発表当時、実際にバンドのメンバーがラジオ放送で言っていたことだし、まただいぶ後に沖縄の地元情報誌のインタビューでも語られていたことだ。
ただ、私には今、この雑誌などを参照することはできない。
なので、以下は、記憶だけに通って書いたので不正確な点もあるかもしれないと了承してほしい。
・「デイゴの花が咲き 風(カジ)を呼び 嵐がきた」
→沖縄の県花・デイゴは4月初めごろ咲く。まさしくこのデイゴが咲く頃、米軍そして戦争という「嵐」は来たのである。
・「ウージの森であなたと出会い ウージの下で千代にさよなら」「ウージの森で歌った友よ ウージの下で八千代の別れ」
→ウージとはさとうきびのこと。ウージの森とはサトウキビ畑のことである。 発表当時私はまだ子供だったが、「ウージの下」などという表現は不自然という批判を聞いたことがある。
しかしバンドメンバーが沖縄の地元情報誌のインタビューで以下のようなことを述べた。
かつて「集団自決」が起こった壕*2を見学したことがあり、その壕から出たときに見た明るい太陽の光の下に広がるサトウキビ畑が印象的だった。友や恋人と過ごしたサトウキビ畑の下でどうして「集団自決」で彼らと永久の別れ*3をしなければならないのか、という思いを歌詞にこめた。
・・・と、たいへんあやふやな私の記憶ではそんなふうに応えていたように記憶している。
私が知る限り、THE BOOMの関係者が『島唄』の具体的な歌詞と沖縄戦の関連について触れたのはこの2点である。
だがそうだとすると、この歌全体が沖縄戦を深くイメージして作った歌と言っていいだろう。
発表から18年以上経ち、さまざまな場面で歌われる『島唄』。
その中に隠されたメッセージが忘れられてしまわれないように、不確かさは承知の上で記しておく。