高江、どうしましょう?


 忙しい毎日を過ごすうちにもう6月になってしまった。

 今年2月、沖縄防衛局は東村高江の米軍ヘリパッド建設を強行しようとした。全国から多くの人々が駆けつけ現地で反対運動を行い何とか建設を阻止した。また3月に入るとノグチゲラの営巣期間に入ることから、2月末をもって防衛局の本格的な工事はストップしている。
 しかし、そのノグチゲラ営巣期間は3月〜6月であり、7月になればまた防衛局は工事を再開させるかもしれない。これにどう対処するか?

 高江のヘリパッド建設工事は辺野古沖の新基地建設と異なり簡単なものだ。2月に防衛局は数十人の業者を連れてきたが、あの人数で数日間ちゃんと工事が行われれば完成してしまうものである。

 つまり現場レベルでの闘いは、辺野古よりもさらに反対運動側にとって、それこそ作業に必要な土嚢の搬入を一つでも減らす,作業員を一人でも多く中に入れないようにするというレベルの非常に困難なものとなる。しかも高江への交通アクセスはとても不便で、県内の人間でさえ容易に通うことはできない。2月の反対運動は「ともかく3月まで持ちこたえれば工事はいったんストップされる」という見通しがあり、だから多勢に無勢、アクセスの困難という無理をおしてみな全力でがんばることができた(しかし、あれは相当に無茶な闘いではあった)。

 だが、もし7月に工事が再開されるとなると、この「×日間持ちこたえればいい」という見通しが無くなる。しかも防衛局側はいくらでも(私らの税金で)人員を確保することができ、しかも数日間工事できれば完成するという状況だ。反対派が座り込みして何とか工事を遅らせようとしても、防衛局側からすれば、毎日少しづつでも座り込みの隙をついて(なにしろ向こうの方が多いのだ)土嚢や人員を中に入れていれば、数日間の作業が一ヶ月くらいに延びるかもしれないが、ヘリパッドを完成させることができる。


 私としては辺野古にしろ高江にしろ、国が基地建設を強行しようとする時、座り込みなど現場で非暴力な手段で工事を遅らせることの意義自体は認めるし、駆けつけてくれる人たちを尊敬する。
 しかし、やはり現場レベルだけではダメなのだ。

 辺野古の基地建設がなぜストップしているかと言うと、まず現場レベルで海上座り込みなどを行い、そのような闘いへの共感によって、あるいはその現場の闘いによって工事が遅れているうちに、少しずつ県内そして全国において反対の声が広範囲に広まってきたからだ。現場の闘いと新基地建設に反対する輪の広がりは相互に関連している。


 現場の闘いは、孤立していれば国にとって潰してしまうのはとても簡単だろう。しかし、国が辺野古の現場の闘いを潰せないのは、たとえ現場には来れなくても新基地建設に反対する県内と全国の声が強固に存在するからである。


 高江はこの点がまだまだ弱い。真の課題は防衛局が現れた時、いかに工事現場に入れないかという方法論ではなく(←これはこれで重要なことだが)、いかに広範囲な建設反対の世論を作っていくかである。
 しかし、ここで私も頭を抱える。
 例えば、防衛局が押しかけ座り込み闘争が起これば、その様子をネットなどに流して全国の人々に呼びかける、ということは思いつく。注目も防衛局が来ていない時期に比べグンと上がる。議論も盛り上がる。

 では、防衛局が来ていない今、すなわち大きな動きが無い今、いったいどうやって人々の注目を集め、反対の世論を作っていけばいいのだろう? 2月の時の苦労から学んだのは、事が起こってからでは遅い、ということである。しかし、事が起こってもいないのにどうやって多くの注目を集めればいいのか・・・・・・私はこの点で大いに頭を抱えてしまう。


 とりあえずは地道に情報発信、するしかないだろが、果たしてこれがどのくらいの効果があることか・・・・・・それともやはり意味があることなのだろうか? 私にはまだわからない。


参考エントリー 

「高江ヘリパッドについて」(http://d.hatena.ne.jp/poppen38/20110220/1298229644


高江ヘリパッド参考サイト

ダイレクトな現地の様子
http://takae.ti-da.net/(やんばる東村 高江の現状)

ヘリパッド問題の経緯
http://helipad-verybad.org/(ゆんたく高江)

沖縄の作家・目取真俊氏のブログ。2月の高江の様子が詳細に描かれている
http://blog.goo.ne.jp/awamori777(海鳴りの島から)

大雑把に分かる『高江ヘリパッド問題』(ゆんたく高江)
http://helipad-verybad.org/modules/d3blog/details.php?bid=80&cid=5

北部訓練場の返還とヘリパッド位置の変化図(ゆんたく高江)
http://helipad-verybad.org/modules/d3blog/details.php?bid=38