高江の現状
お久しぶりです。
大震災の影響はほとんど受けなかったのですが、やはりショックは受けました。
余震,原発,被災地支援の困難などまだまだ予断を許さない状況が続いていますが、一日も早く被災地に十分な支援がまわり、事態が落ち着くことをお祈りします。
辺野古・高江などの基地建設阻止運動では、全国から多くの支援をいただきました。高江現地に駆けつけてくれた本土各地のみなさんがご無事であれば良いのですが……いつか事態が落ち着いたら、また(今度は基地反対支援とかではなく)沖縄に来ていただきたいですね。
その高江ですが、先月はこのブログで支援を呼びかけていたのに、今月に入って更新できずたいへん失礼しました。高江の状況を知りたい方はもう「やんばる東村 高江の現状」などで確認済みだと思いますが、ここでもちょっと案内を。
3月に入り状況は安定しています。工事区域にあった重機もすでに住民の立会いの元、沖縄防衛局は撤去しました。
ただ、以前から沖縄防衛局は3月以降*1も重機を使わない工事のことは匂わせており、その対策と何より7月以降に再開されるだろう本格的な工事にどう対処するか、その問題について考えていかなければならないところでした。
しかし、その矢先にこのような大震災が起こり、さすがに非常識・非人情が組織になったような沖縄防衛局も近日中に大きな行動をすることはないのではないかと思います……まあなんとも言えませんが……彼らの上にいる防衛庁も政府もそれどころではないでしょうし……
でも一方では、こんな時にこんなことも。
『辺野古の浜のフェンス建設現場*2』(海鳴りの島)(http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/e6ababe547721d63d5d4aac087056dd7)
工事用フェンスの向こう(キャンプ・シュワブ内)では、クレーン車やパワーショベル、ダンプカーなどを使ってフェンスの基礎部分の工事が進められていた。(中略)同時に、辺野古新基地建設をあくまで進める、という政府の姿勢を示すものだ。
3月14日の光景。不謹慎大嫌い・自粛&「こんな時に!」大好きな日本国民としては怒るべきポイントですかね。
7月以降の動きですが、これもまだ何とも言えないです。今回の大震災によって、これから日本は好むと好まざるとを問わずに変わっていくことでしょう。それがどのようなものなのかまだ予想はつきませんが、変わっていかざるを得ないと思います。そして、その変化が基地政策・沖縄政策にどう影響するのか、それを見極め沖縄も動かなければならないでしょう。
しかし、「変わる」と書きましたが、それも違うかもしれません。
例えば原発を巡る言説について。これほどの事故が起き住民や原発労働者を危険にさらし諸外国も危惧する中で、ネット上ではなお少なからぬ人が必死に原発を擁護しています。その中には反原発派・脱原発派も耳を傾けるべき一理ある意見もあるかもしれませんが、私が思うにその多くの言説の中に「変わってしまうこと」それ自体に抵抗したいという意識があるようも思えます。この場合、原発の廃止をも含めたエネルギー政策の転換、それによって(擁護派言うところの)「経済の悪化」や「今まで通りの生活ができなくなること」への怯えです。
まさしくそのような「時の流れを止めて変わらない夢を見たがる者たち」*3あるいはその欲望によって一部地方や原発労働者は犠牲になってきたわけです(ちょうど沖縄米軍基地問題の構造と似ています)。また、「変わらざるを得ない」情勢の中で、ただ既得権を守りたいという理由で「時の流れを止め」*4ようとする力は、歪みを生んでしまうことでしょう。
また、米軍がいろいろと手助けしていますが、この件についてはもう少し被災地が落ち着いてから言及しようと思います。一言言えば、被災地を救うためにはそれが有効な方法であれば、あらゆる方法が採られることを私も望みます。そういう意味で、米軍の救援活動もどうこう言う気はありません、他の国々が派遣する救援隊と同じように。ただ、それを変な方向に持っていこうとする言説には、落ち着いた後もまだ無視できないレベルで存在するなら言及します。
ま、とりあえず、沖縄の米軍は「こんな時に」も通常運転のもようですが。
東北沖にオッカナビックリ出かけていって、だから、海兵隊が必要なのだ!と、ココゾとばかりに宣撫活動を行う米国軍隊・・・海兵隊の本分はヤッパリ殺人!とばかりに、朝から銃殺訓練の機銃掃射の音が集落に、漁港に響き渡り続けています。(辺野古通信 henoko.ti-da.net)
……3月15日の辺野古からの記事……いやぁ、日常の光景ですねぇ。
*1:天然記念物の鳥・ノグチゲラの営巣期間に配慮して3月〜6月の間は重機など音を出す工事はできない
*2:辺野古の浜はキャンプ・シュワブと繋がっており、従来は境に鉄条網をしてあったが、最近シュワブ内で進む辺野古「移設」工事を隠すためかフェンスが作られた
*4:『世情』で興味深いのは、この「時の流れを止めて変わらぬ夢を見たがる者たち」と闘う者たちとして「変わらない夢を流れに求め」る者たちが登場する点。どちらも「変わらない夢」が関わるが、前者(歌詞では後者だが)が「時の流れを止める」のに対して、後者は「流れ」の中にこそそれを見出す。「シュプレヒコールの波 通り過ぎていく 変わらない夢を流れに求め 時の流れを止めて変わらない夢を見たがる者たちと たたかうため」と歌われている
『韓国二戦慰安婦為日本祈福』
よく見る中国の動画サイト・土豆で興味深いニュースを見つけました。私が見落としているだけかもしれないけど、日本では報道されていたかな?
『韓国二戦慰安婦為日本祈福』(http://www.tudou.com/programs/view/QtyHXOhZaPo/)
動画サイト自体は中国ですが、番組は(テロップが繁体字なので)香港か台湾のTVのものだと思います。
私の語学力ではナレーションを聞き取れませんが、テロップを見るに、韓国の従軍慰安婦が今回の日本の地震被害を哀しみ、日本の「福」のために祈りをささげたという内容らしいです。韓国の日本大使館前にて。
土豆は場合によっては繋がり場合によっては繋がりませんのでもしかして見られないかもしれませんが、とりあえず紹介しておきます。
2月読了記録
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/03/29
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (123件) を見る
気づかなかっただけで、乃梨子はずっと志摩子の手を取って迷路の先をカンテラで照らしてくれていたのだ。
だから、志摩子はもう独りで歩かなくてもいいのだ。肩の荷を一緒に背負って欲しいと、乃梨子になら甘えることができそうだった。
(略)
土に書いた名前が、雨粒で少しずつ消されていく。
「志摩子さんが卒業するまで、側にくっついて離れないから」
乃梨子が嬉しそうに笑う。首に掛かったロザリオに雨粒が落ちて、珠と一緒にキラキラと光り輝いた。
「だったらもう、私は寒くないわ」
二人は桜の木の下で寄り添って、降る雨を眺めた。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/05/15
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 133回
- この商品を含むブログ (158件) を見る
- 作者: 深町真理子
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 1999/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
誤訳の原因には、単純な読みちがいや意味の取りちがえから、純粋な文法上の誤り、背景知識の不足などいろいろあるが、この大半は、想像力を働かせることによってなくせると私は信じている。
(略)
想像力を用いることで、これでは意味が通らないとか、どうもへんだ、なにか足りない、といったことに気づくだけなのだ。また、誤訳とまではいかなくても、引用などをそれと気づかずに訳してしまうこともある。これなども、前に述べたようなことを頭に置きながら読んでゆけば、まず十中八九、他の文章との微妙なちがいが、直感のアンテナに触れてくる。想像力はここでも役に立っているのである。
それだけに、それが思いどおりに働いてくれて、ぴんとこなかったところ、表現に苦しんでいたところがずばりと解けたときのうれしさ、快さは、なにものにも代えがたい。私など、その楽しみのために翻訳をやっているようなものだ。
普通、小説というものは、作者がなにを語るかだけでなく、いかに語るかということにも心血をそそいだ作品である。だとすれば、翻訳者も
、作者がなにを語っているかを正確に伝えるだけでは不十分、いかに語るかを伝えることができて、はじめて訳者の名にあたいすると言えるだろう。
翻訳の批評というと、訳文だけをとりあげて、「よくこなれている」とか、「平明で読みやすい」とかいった表現が目につくが、こういうのを見ると、じゃあ原文も平明で読みやすいのかしら、などと意地の悪いことを考えてしまう。すくなくとも小説の翻訳に関するかぎり、平明でもなく、読みやすくもない文章、こなれていない、ところどころひどくもたれる文章(略)、というのがあってもいいはずだし、批評するなら、そういう訳文の文体をも含めて、全体をひとつの作品として見る姿勢を持ってもらいたいと思う。私なども、たとえ及ばずながらでも、いかに語るかをつねに心がけているつもりだし、それが多少なりともうまくいったと感じられるときに、これこそ翻訳者の醍醐味ではないか、などと思うのである。
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1992/03
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
権力者には成程、年爵と言う、半ば私物化された官位の推薦任命権が与えられている。しかしだからといって、これを己の息子に適用する者はない。それをしなければならないほどの信用のない者に、権力などというものが集まる筈はない。
権力者の息子の昇進というものは、除目の席でその意を汲んだ周囲によって取り計らわれるものだ。
安定の時代に、表立った権力闘争は最も醜いものとして映る。そのことによって人望を損ね、権威の失墜を見る。なにしろ朝廷というものは、「それを上とする。上にあって然るべきもの」という人間達の幻想によって成り立っているのだから。幻想によって成り立つ支配構造を支えるものは、未熟な人間たちの思い込みだ。人望こそが最大の財産で、人事こそが最強の武器だ。権力者というものは、人望以外に何の存在基盤をも持たない、信仰の対象に等しい。拮抗はしても「対立」を囁かれても、決して表立った争いはしない。その点で、一人の男の寵を争う女達の方がまだ正直だ。平気で、白昼の都大路で車争いの騒然を演じてくれる。
それは夜。
これは昼。
そのように、兄と私は分け合った。これは昼−輝く光の映えぬ昼。それこそが兄。
これは夜−輝く光のその外は見えぬ。これこそが私。
光の見えぬ昼の兄と、光輝く夜の私。
闇を滲ませて息づく薄明の兄と、闇に閉じられて、悲鳴のように輝く弟。
昼の光は夜に適って、夜の光は昼に紛う。
闇が私を包み、私はその闇を、受け入れることが出来ない。
私と朱雀院は、その夜に遭い、そして別れた。
明日が一つの正念場
沖縄県東村の高江ヘリパッド建設阻止は明日が一つの正念場を迎えます。
というのも、3月以降はノグチゲラ,ヤンバルクイナなど天然記念物の鳥類が営巣期間に入るため、大きな音が出る工事は自粛する、と沖縄防衛局も言明しているからです。
まあ、その約束も本当に守られるか怪しいですし、そもそもヘリパッドを作ること自体がノグチゲラなどの保護に悪い影響を及ぼすんじゃないかと思いますがね。
ともかく防衛施設局が3月の工事を断念するとなると、最終日である明日28日に相当の強行が予想されます。もしかすると最後の一日でなんとしても工事を終えてしまうかもしれません。
先週より沖縄防衛局は住民の生活を無視し、早朝6時〜7時ごろ現れては工事を推し進めようとしています。明日もおそらく早朝から来るでしょう。
ですので、明日28日は特に支援・注視をお願いします。明日を乗り切り、この工事を止めましょう。
そして高江の住民・支援者が安全でありますように。
高江でお馴染みのリュウキュウイノシシのぶーすけ*1も待ってるよ!
*1:誰だ、この名前つけた奴
高江ヘリパッドについて
続いて、高江ヘリパッドについて私なりにまとめた文章の部分を置いておく。
しかし、高江についてのまとまった文献はほぼ無くいちいち過去の新聞から関連記事を探すのも大変なので、このまとめは手元にあった高江住民と支援者作成のパンフと私の記憶(昔新聞で読んだこと、私自身が見聞きしたこと)を主に頼りにして書いた。なのでこれを読む際には、参考文献が限られている点と私の記憶違い(混同)がある可能性に留意して読んでほしい。
ただ大筋では特に間違っている部分はないと思う。もし(見解の相違ではなく)明らかな事実誤認を見つけた際にはご指摘ください*1。
『・場所
高江は沖縄本島北部にある東村にある地域で「高江区」と呼ばれます。
東村は辺野古のある名護市よりさらに北にあり、その広大な東村の北の端にある高江へは県の中心地・那覇市からでは高速道路を使っても片道2時間以上かかり、バスは早朝と夕方に計3本あるだけで、自家用車を使わなければほぼ訪れることは不可能です(これが抗議活動をより困難にしています)。
高江区の人口は約160人。しかし人口の割りに子供の数は多い。主に農業が行われています。
周辺はヤンバルの豊かな森に囲まれています。森の中にはノグチゲラやヤンバルクイナ,ヤマガメなどの天然記念物や固有種も多く、本来で生物多様性を守る立場から適切な自然保護が行われなければならない場所と言えるでしょう。
また周辺に沖縄県民の水道水を支える3つのダムがあり、沖縄本島の水がめともなっている地域です。
・米軍基地
しかし同時にここは米軍の北部訓練場と隣接する地域でもあります。北部訓練場とは、米軍がジャングルでの戦闘・サバイバルを訓練するための施設です。
現在でも東村の村内にある北部訓練場の敷地内には施設の一種として15箇所のヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)があり、住民は爆音や事故の危険と隣り合わせの生活を強いられています。
・新ヘリパッドの建設とその経緯。
今回、問題となっているのはすでに15箇所のヘリパッドを持つ東村に新たに6箇所のヘリパッドが建設されることです。この6箇所のヘリパッドが建設されますと、ちょうど高江区がヘリパッドに包囲されるような形になってしまうので、住民は大いに不安になり、反対しているのです。
参考:http://helipad-verybad.org/modules/d3blog/details.php?bid=38
高江に新たにヘリパッドが作られることになったのは、1996年のSACO合意に基づきます。SACO合意では、普天間基地を返還する変わりに本島北部に代替施設を作ることが日米両政府で「合意」され、今の辺野古「移設」問題につながっています。この普天間関係の他に重要な「合意」として、北部訓練場の半分(本島最北端の国頭村の部分)を返還する代わりに、返還地域内にあるヘリパッドを高江に移設することが決められました。
これが今の高江ヘリパッド問題の発端です。
・沖縄県・東村・高江区の反応
残念ながら沖縄県も東村も現状では「ヘリパッドの移設も止む無し」という立場です。しかし、高江区は小規模集落であるため、東村の議会に村議を送ることもできず、意見を表明する場もありませんでした。
そこで高江区は区民総会で二度に渡り、全会一致で移設反対決議をあげました。また、沖縄防衛局が高江区への移設を決めた2006年ごろより反対運動も本格化し、工事車両の出入り口となり移設場所へ続く2つの北部訓練場ゲート前に監視テントを立てるなどしました。
・防衛局が高江住民を提訴
2008年11月、防衛局は「座り込みが工事を妨害している」と言って那覇地裁に「通行妨害禁止仮処分命令」を申し立て、高江住民15人を訴えました。この中には現場にいなかった8歳の子どもまで入っていました(後にこの子どもに対しては訴えを取り下げ)。
最終的に14人が訴えられましたが、そのうち12人に関しては裁判所は防衛局の訴えを全面的に却下。しかし「住民の会」共同代表の2人に対しては、「妨害行為があった」と認定し、通行妨害禁止の仮処分を認めました。これは現在係争中です。
一方、裁判所は座り込みという抗議のあり方を認め、「住民と防衛局側は話しあうべき」と双方に諭しました。しかし、防衛局側は話し合いには応じず、裁判係争中であるにも関わらず、工事を強行しました。
・米軍ヘリによる監視テント倒壊事件
昨年末、ゲート前(当然民間地域)にあった監視テントが、超低空飛行による風圧で破壊され、泊まっていた支援者一人があやうく怪我をしそうになった事件も起きました。この件について、住民らは沖縄防衛局に米軍に問い合わせて真相究明をするよう求めましたが、まだ何も解決していません。
・米軍の思惑・北部の軍事要塞化
高江へのヘリパッド建設を求める米軍の思惑ですが、以下のようなことが言われています。
米軍はヘリパッド移設とともに上陸訓練のための水域と土地も求めており、特に高江近辺を流れる宇嘉川流域と河口が狙われています。ここを高江のヘリパッドと併せて使用することで、米軍は辺野古へのアクセスが格段に便利になります。
つまり「辺野古新基地」「辺野古弾薬庫」「高江ヘリパッド」「(返還しない)北部訓練場」「宇嘉川流域の上陸訓練場」そして金武町の「キャンプハンセン・都市型訓練施設」など一連の米軍施設が有機的に結合することになり、本島北部の軍事要塞化とも言うべき状態になります。
・オスプレイの配備
さらに事態を由々しくしているのは、高江のヘリパッドにオスプレイが配備されるのではないかという疑惑です。
オスプレイは積載能力と飛行距離に優れていますが、今まで多数の事故を起こし「空飛ぶ棺桶」とも言われるほどで、米国でもすでに製造も禁止されています。しかし、日米政府は既存のオスプレイを辺野古および高江で使用することを狙っていると言われています。はっきりと明言はしていませんが、辺野古や高江の施設の様子からオスプレイ向きの施設であると言われています。
オスプレイの配備によって米軍の軍事力・基地機能が強化されるだけでなく、高江の集落から400メートルしか離れていないヘリッパドにそのような欠陥ヘリが離着陸することも高江住民の恐怖となっています。
・反対の論点
なぜ高江ヘリパッドに反対しなければならないのか? その理由は人それぞれでありますが、およそ以下のような点にまとめることができるでしょう。
どれが他の反対理由より優先され正しいか、という話ではなく、一人一人がそれぞれの問題意識に基づいて考えることだと思います。どれか一つだけの理由でもいいし、これらはすべて相互につながっていると考えても良いでしょう。
1.ヘリパッドによる集落包囲・オスプレイの配備などによって高江住民の生活・生命が脅かされる。
2、「沖縄の負担軽減」の美名のもと、北部の軍事要塞化が進み、実際には基地機能の強化・固定化ということになる。
3、沖縄の基地が強化・固定化されることにより、東アジアの軍事的緊張感が高まる、およびベトナム戦争・イラク戦争の時のように米軍の出撃基地の島としてその加害行為に加担することになる。
4、注目されていない高江にまず手をつけることによって、膠着状態に陥っている辺野古「移設」へのきっかけ・はずみがつけられる。
5、天然記念物や固有種も多いヤンバルの豊かな自然が破壊され、種の絶滅など生物多様性が損なわれる。
6、沖縄の水がめである地域が汚染される危険(=沖縄本島全体に健康被害が出る)がある。
まだ見落としている論点があるかもしれませんが、こんな感じでしょう。
・現状
昨年末より活発な動きを見せていた沖縄防衛局ですが、2月1日より大量の職員・土木作業員を現地に派遣し、工事を強行しています。平均100人以上、最大で200人、10tトラック二台で小さな集落に連日押し寄せています。
それに対して住民・支援者はだいたい50〜70人ほどで工事現場である北部訓練場敷地に通じる2つのゲート前を車でふさぎさらにトラック前に座り込むなどして、作業員や土嚢を積んだトラックがゲートから中に入るのを防いでいます。
そこで沖縄防衛局は、作業員をゲートから離れた山の中から工事現場に向かわせ、工事に必要な砂利を入れた土嚢はバリケードより高い10tトラックの荷台から米軍施設内に投げ込み、山中を歩いて中に入った作業員が手作業で工事現場まで運んでいます。
ゲートを封鎖することで作業がスムーズに行かないのは確かなのですが、それでも着実に進んでいるのが現状です。
また作業員は沖縄の青年で、この不況の中、防衛局に対して立場の弱い人々なので、住民・支援者ともに彼らと敵対的になることは避けています。もちろん工事中は抗議するのですが、彼らに対してはキツイ言葉遣いは避け、機会があれば話し合い、作業をまじめに行わないよう、安全には充分気をつけるよう説得をしています。
参考http://takae.ti-da.net/e3344496.html(作業員のみなさまへ)
その一方で、沖縄防衛局は雨の山中や斜面での危険な作業を作業員に強要し、あたりが暗くなるまでやらせています。一度は、作業員の一人が日の暮れた山の中で1時間ほど迷子になる事件も起きました。
現地の状況はこんな感じです。本日もけが人が出かけないほどの強行さで工事が進められています。
住民らは現地に来られない人々に、沖縄防衛局・防衛省などへの抗議。議員へ工事中止の要請。各種メディアに高江の惨状を取り上げてくれるよう要請してくれることを求めています。』
*1:しばらくネットが出来なくなりそうなので対応は遅れますが
高江ヘリパッド問題について(参考サイト編)
本土にいる知人から「高江ヘリパッド問題について、初めての人でもわかりやすいようにまとめてくれるか」と頼まれたので、まとめてメールで送った。
しかし、わりとよくまとめられたと思うので、送ったメールを一部修正してここにも置いておくことにする。高江ヘリパッド問題について知りたい人の参考に少しでもなれば嬉しい。
それではまず、参考となるサイトを紹介した部分から。
『高江の件について関心を持ってくださりどうもありがとうございます。抗議活動をする人々の目下一番の悩みは、ほとんどのメディアが報道しないため高江の「惨状」がなかなか外部に伝わらず、孤立に近い状態にあることです。どうか一人でも多くの人にお伝えください。
高江の件ですが、サイトですと以下の所が参考になります。
http://takae.ti-da.net/(やんばる東村 高江の現状)
現地での反対運動と沖縄防衛局の横暴がもっともダイレクトに伝わります。
http://helipad-verybad.org/(ゆんたく高江)
現在の状況の他、高江ヘリパッド問題の経緯がまとめられています。
http://www.okinawa-u.ac.jp/~tsuchida/Save-Dugong/material/takae/heli_pad.html
(ヘリパッド移設問題資料)
http://www.qab.co.jp/news/2011021425854.html
(琉球朝日放送)
沖縄のTV局で、ここ数日の現地の様子が動画で見られます。
http://blog.goo.ne.jp/awamori777(海鳴りの島から)
連日現地で抗議行動に参加する沖縄の作家・目取真俊の現地報告。文章と写真でかなり詳細に2月以降の様子がわかります。
ただ、これらのサイトはブログですので、毎日の動きはわかってもここに至るまでの経緯を知らない人に説明するにはやや不適なので、経緯の説明には「ゆんたく高江」内の以下のページから関連項目をたどるのがいいでしょう。
http://helipad-verybad.org/modules/d3blog/details.php?bid=80&cid=5
高江の位置、現状のヘリッパドの位置と移設予定地が地図で示されています。
http://helipad-verybad.org/modules/d3blog/details.php?bid=38
以上が紹介できるサイトです。
あと、はじめて聞く人向け用に私も経緯をまとめますが、長くなるのでいったん別のメールで書きます。』
ご奉仕はメイド喫茶までにしとけ
昨日はバレンタイン*1ということで、高江では米軍ヘリッパド建設に反対する住民や支援者の女性陣から沖縄(住民から米軍基地を)防衛局の職員や作業員(どちらも全員男性)にチョコが送られた。
休憩中、バレンタインデーなので住民・支援者の女性たちから防衛局員と作業員に手書きのメッセージを添えたチョコレートが送られた。防衛局員は受け取らなかったが、作業員たちは喜んで受け取っていた。人に馴れたイノシシも出てきて、しばし和やかな雰囲気になった。
http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/ccc9a4c1a6c33548cb2e363217dbdc23
昨日チョコをもらえなかった男性諸氏は高江にくれば良かったのに、という話。
ちなみにイノシシは二頭いてまだ小さい頃からこの近辺に出没しており、一匹はブースケ、もう一匹はブー子と呼ばれている・・・・・・申し訳ないが私はブースケはまだしも人前でイノシシをブー子と呼ぶことはいまだにできないでいる・・・・・・。
ところでこのイノシシは人の言葉がわかるらしく、誰かが冗談で(冗談だよね?)「そろそろ食べごろかな?」とか「これはおいしそう」とか言うと、それまで平気で近づいてきたのが「脱兎のごとく」林の中に逃げ込んでしまう。
まあ、ジェンダー的問題はあるにしても、女性陣はバレンタインには作業員らにチョコを送るだろう、と思っていた。普段から作業中は厳しく抗議するが、一日の作業時間を終えて山から出てきた作業員にはたんかんをあげたり、「お疲れ様です」と声をかけるようにヘリパッド建設反対の住民も支援者も極力心がけている。
もちろん毅然とした対応が必要な時にはそういう対応を取るし、座り込みなどをして工事を進めさせないよう手段を尽くすが、基本的には立場が弱い作業員と敵対することはない、というのが大半の認識だ。
座り込みで膠着状態になった時には、ちょっとお年をめした気さくな女性らが手持ち無沙汰にしている作業員の若者たちと円陣を組んでなにやら話しをしている光景が見られることもある。工事のこと、やんばるのこと、世間話、彼らの将来について・・・などを話しているようだ。
琉球新報も昨日のバレンタインの作業員らの反応をこう報じている。
受け取った人は「ありがとう」「来月お礼を持ってきます」などと話していた。
・・・・・・や、来月も来られちゃ困るんだが・・・・・・
*1:バレンタインなんてものは私の中ではとうに同人誌の中にだけ存在する行事で男同士でチョコをあげあうイベントだが