雑感

 しばらくは新ブログで遊ぶので、ここの更新は2〜3週間に一回くらいになると思います(や、今までもそんなペースでしたが)

 中国にいれどもそう取り立てて書くこともない、もしくは書きたいことは相当書くのに時間がかかるがその時間がないですね。日本や沖縄のことも資料がないと書けないことが多いし。いっそ日記化してささいな日常でも書くかな、とも思いますが。


 さてその中国ですが。
 実際に中国で暮らしていると改めて日本のネットの一部で描かれている「中国」がいかにファンタジーワールドであるかよくわかります。(的を射ている部分もあるとは思います)。まあ、中国のTVやネット界も別の意味でちょっとファンタジーワールドっぽいことになっていますけど。


 20代前後の若い中国人学生と交流する機会があるのですが、もう何故か会う人会う人、話題に出ることが同じです(笑)
 彼女・彼らは日本語を学んでいる学生なので、たぶんそのせいなのでしょが、彼らが聞いてくるは、ほぼ例外なく以下の話題。


・(ジャニーズの)嵐・KATTN・ニュース
・ 宮崎駿
・ NARUTO・ワンピース

 さすがに男の子は言わないが、女の子はほぼ例外なくジャニーズの上の三つのグループについて話題にしてきます。V6とかスマップはほとんど話題になりませんが、これはもう自分達と年が離れすぎてしまっているため興味がわかないとのこと。
 ・・・つーか、こんなこと話題にされても私もついていけません(汗)グループ名までは何とかわかっても、メンバーの名前までとなると・・・もうごめんなさい、と言うしか・・・。話題についていくため、せめて名前だけども勉強しようかと思っています。


 それとアニメね。
 日本だといくらオタク文化が栄えているとはいえ、高校や大学で(同好の士であることが判明しているならともかく)不特定多数の相手や初対面の相手に対して「自分、アニメが好きなんです!」と堂々と言えるオタは少数派だと思いますが、中国の学生は非常に堂々と言います。
 アニメはオタクが見るもの、という感覚はほぼ無いようですね。むしろ見ているのはかっこいいこと、って感じか?(しかし、私がオタだから話についていけるものの、一般の日本人はこの手の話振られてもわからないのでは? 日本人は全員アニメに詳しいはずだ、と思われているようだ)
 ・・・さすがにやおいとか同人誌まで手を出していると言うのは、堂々と公開できないことのようですが。(つーか、中国では「腐女子」のこと「腐女」って言うのか! ああ、びっくりした)
 ジブリ関係が人気の他は、何故か圧倒的に「NARUTO」が人気。次点がワンピース。あとはハルヒらき☆すた、へた×あも一定の人気あり。


 この若い中国人のジャニーズ好き、アニメ好きなのはどのくらい普遍的なことなのかちょっと調べてみたい気もする。
 もっとも、そもそも日本語を学び始めたきっかけが日本のアニメだったり、日本語をちゃんと習ったことはないけどアニメ見ながら自力で覚えたという人もかなりいたので、かなり広範囲な現象であることが伺える。
 話には聞いていたが、改めて海外での日本アニメファンの多さを実感した。


 さて、今回は中国生活でのメモ的なことだけを書くつもりだったけど、上のようなことを書くといらない「意味づけ」をしたがる人がいそうなので、ちょっとそのことに関して一言。(あんまうまくまとまらなかった)

 日本の文化(ジャニーズやアニメだけど)が非常に好かれているということ自体は喜ばしいことだ、と一般的には思われる。
 だが、海外で日本発のあるいは日本的な文化(この場合アニメだが、別にアニメでなくてもいい)が受けるのを、「日本人として」単純に喜んでしまうこと、誇りに感じてしまうことはなんか違うと思うんだよね。

 ……うまく言えないけど、これはオリンピックとかで日本人選手が金メダルを取った時に、それを「日本の誇り」何々と言う人に感じる違和感と似ている。すごいのはあくまでその選手であって、その選手がたまたま日本国籍であったからといって、日本全体やその選手以外の日本人に何の関係があるのかという話。
 文化的なことは、その文化が生まれ育まれた環境が全面的に関係してくるから、競技の選手とはとても同列に語れない。だけど、海外で日本文化が受けていることに喜び(あるいは優越感)を感じる人、その個人がどれだけその文化の発展に寄与したのか。伝統文化に関わっている人がそう多くいるとは思えないし、アニメに関して言えば大部分がただ享受・消費しているだけだろう。そう考えるとただその文化と出自を同じくするだけで、ただ乗り的に誇りにしちゃうのは・・・ちょっとね、と思う。

 あと、もっと性質の悪いのが、そういう日本文化好きが増えることで、「親日的」な外国人が増えることを期待することね。
 ・・・これはね、私的には本当にいやらしい考え方だと思う。しかもかなり上から目線だ。(だいたい私は他国人を「親日」だの「反日」だのあまりに自己中心的なものさしによって分類することには反対だ)
 武力や政治よりも文化的なものによって人に影響を及ぼす方が高尚なことだと思われているのだろうか。文化は自然に受け入れられていくならともかく、それに気を良くして、その現象に過剰な意味づけやましてや思惑を絡めるのは違うと思うけどね。


 彼女・彼らは日本のアニメやジャニーズが好きだ。それはそれ以上でもなければそれ以下でもない単なる事実。そこに過剰な意味づけなどせず、アニメやジャニーズについて話題にされたら、楽しく話せばいい。それだけのことだと思う。