今日は「九・一八」ですね


 ちょっと仕事が忙しすぎて、三日ほど寝ていません。
 こんなに寝ていないのはコミケ前修羅場でもそうめったにないことです。


 で、気力がもうほとんどないのですが、今日は9月18日なのでちょっと簡単に書いときます。


 1931年9月18日、満州事変が勃発してから今日で79年目ってことです。
 で、9.18と言えば当時流行った「松花江上」という有名な歌があります。


 松花江とは満州中国東北部)の河の名前。
 歌は満州国の建国によって故郷を離れざるを得なくなった東北軍など20万以上の「東北難民」の心情を代弁したような歌です。


 メロディ、歌詞とともに大変美しい歌で、名曲だと思います。*1
 また歌はもちろん東北という特定の場所を喪失した痛みと「東北難民」の心情を歌ったものです。しかし歌が内包する精神は、その枠組みを超えて、現代の故郷を暴力的に奪われて難民とならざるを得なかったすべての人々、そして留まったものの植民地主義支配の下で自らの故郷で疎外され難民のようになった人々の気持ちを代弁するものとして現在でも有効かと思います。


 以下、手元の中国語歌詞カードをざっと訳して歌詞を紹介しておきます。



松花江上」

私の家は東北 松花江のかなた
そこには森林炭鉱があり 野山に満ち溢れるほどの大豆と高粱があった
私の家は東北 松花江のかなた
私の同胞はそこにいます 老いたる父母もそこにいます


九・一八! 九・一八! あの惨なる時より*2
九・一八! 九・一八! あの惨なる時より

故郷を逃れ あの無尽蔵の宝を捨ててきた
流浪に流浪を重ね 長城の内*3を彷徨い続けた。
流浪 また流浪

何年何月 私はあの愛すべき故郷に帰れるだろう?
何年何月 あの無尽蔵の宝を取り戻せるだろう?

父よ母よ いつになったら 私たちは一堂に会することができるのか?





すべての故郷を奪われた人々のために。

*1:ただ歌い手や歌い方によってだいぶ印象の変わる歌で・・・ちょっとyoutube探したけど同じ歌なのに私が持っている歌ほどは感動できなかった

*2:原文は「従那個悲惨的時侯」で「あの悲惨なる時より」ですが、ずっと昔に読んだ何かの本で「あの惨なる時より」と訳しているのがあって、そちらのほうが断然いいと思うので

*3:万里の長城を境に東北は「長城の外」と呼ばれ、それ以外は長城の内側と呼ばれる